コロナの渦中(ゴリゴリ鎖国してた時期)にスペイン人と(日本を拠点に)国際結婚をしました。
それがなかなか得難い経験だったので、ネットの海に書き残しておこうと思います_φ(・_・
コロナの水際対策は緩和されつつあるので、直接的にどなたかの役に立つことはあまりないかもしれませんが、"何らかの理由で結婚前の来日が難しい外国人との国際結婚"というケースとしては、ある程度汎用性があるのではと思います。
※私は専門家ではないので、あくまで素人の経験に基づいたメモです
1. そもそもスペイン人との国際結婚の仕組みについて
そもそも、(コロナ禍でない)通常時のスペイン人との国際結婚の手続きがどのようなものか(日本人同士の婚姻との違い)について、順を追って説明します。
既にご存知の方は読み飛ばしてください。
大きなポイントとしては下記です:
- 日本の役所にて、婚姻届の他に提出が必要な書類がある
- スペイン側でも婚姻を有効にする必要がある
- 日本に住む予定の場合、ビザの取得が必要になる(既に持っている場合を除き)
①婚姻届の他に提出が必要な書類について
a.追加書類が必要な理由
日本人同士の場合、婚姻届に必要事項を記入して役所に提出すれば、それだけで基本的には結婚できます。
これは実は、夫婦となる両人が日本に戸籍を持っているためです。
戸籍があって、婚姻届の内容をそれと照らし合わせることができれば、下記のことが簡単に証明できます:
- 婚姻届に記載の人間が実在すること
- その人が独身であること
逆に言えば、日本に戸籍のない外国人が日本人と結婚するために日本で婚姻届を提出する場合、当該外国人について、上記を改めて証明する必要があるのです。*1
これを証明する書類を「婚姻具備証明書」といって、スペイン大使館に発行してもらう必要があります。
(実際手続きの流れの中で、夫(当時は彼氏)の「実在証明書」みたいなものを発行する場面があって、なんというかシュールでした😂 独身証明ならともかく😂😂 でも日本の役所のシステムからしたら実在すら確認のしようがないわけで、真っ当なプロセス?なんですよね)
b.婚姻具備証明書の発行手続き
おそらくここまでは日本側の役所の制約のため、スペイン以外の国でもそんなに違いはないと思います(婚姻具備証明書が出せない国?とかでなければ…?ぶっちゃけよく知らないので興味があれば調べてください😂)
婚姻具備証明書の発行は各国の在日大使館にお願いすることになるので、ここが一番国によって違いが出るところかな、と思います。
相手がスペイン人の場合、基本的には下記の流れです:
- 必要書類をスペイン大使館に郵送
- 1の書類に問題がない場合、スペイン大使館での面接の日程調整
- 2の面接後、婚姻具備証明書を受け取る
必要書類に関しては、当時は下記でした。
更新もあると思われるので、詳しくはスペイン大使館ホームページ等で確認ください。
スペイン人側
- 申請書
- 過去2年間の住民票(CERTIFICADO DE EMPADRONAMIENTO)
- 出生証明書(CERTIFICADO LITERAL DE NACIMIENTO)
- パスポート及びDNI(身分証明書)のコピー
日本人側
- 過去2年間の住民票(要スペイン語訳)
- 戸籍謄本(要スペイン語訳)
- パスポート又は運転免許証のコピー
後述しますが、このスペイン大使館での面接が、コロナ禍では特に特殊でした。
②スペインでの婚姻の有効化について
晴れて婚姻具備証明書を入手し、日本で婚姻届とと共に提出すれば、日本での婚姻は一旦完了です。
が、スペイン側でもこの婚姻を有効にするためには、幾らかの手続きがさらに必要でした。
下記の必要書類(当時)をスペイン大使館に送ると、問題なければスペイン側で婚姻が成立します。
- 婚姻届受理証明書
- 婚姻の記載のある戸籍謄本
要は、日本で結婚したよ!😊という公式書類をスペイン側に送るだけという感じなので、一連のプロセスの中で一番楽でした。
問題なければスペイン側でも婚姻が成立し、数日〜後に家族手帳(LIBRO DE FAMILIA)がスペイン大使館から送られてきます。
③ビザの取得について
さて、晴れて両国で婚姻が有効となった後、(日本に一緒に住む場合は)スペイン人が日本での在留資格を持つ必要があります。
相手が既に就労ビザを持っており、配偶者ビザに変更するつもりがないとかでない限り、基本的には配偶者ビザを申請することになると思います(この辺も専門家ではないので経験ベースでしか話せませんが)。
配偶者ビザの申請(取得)のプロセスは下記サイトがわかりやすいです:
配偶者ビザ申請の流れと審査期間:いつ結果が下りる? | 配偶者ビザのレシピ
このパートが(物量的にも精神的にも)一番大変でした。(依頼料(15万円程度〜?)をお支払いして行政書士さんなど専門の方に任せるという選択肢もあったのですが、我々は自力で行いました。)
結果として上手く行ったし良い経験にはなりましたが、もう一回やりたいかと言うと…という感じです😂
準備する書類の物量的なしんどさもさることながら、一度リジェクトされてしまうと次が難しくなっていくという噂もあって、合否の判定がとにかく怖かったです。だってここで許可が降りないと、結婚したのに一緒に住めなくなるので…怖すぎ……
ここでのポイントは「在留資格認定証明書」を日本の移民管理局で受領するというところなのですが、これはつまり日本側に、a.この結婚はビザ目的などの不正なものではないと認めてもらい、b.かつ日本での滞在にも問題がないと判断してもらう、ということになります。*2
a.婚姻がビザ目的ではないことの証明
なので申請書の細かい項目を正しく埋めるのは大前提として、併せて、とにかく私たちは恋愛結婚なんです!変なビジネスとかじゃないんです!の証拠をしこたま提出する必要があります(笑)例えば実際提出したのは下記です:
- SNSなどのチャット履歴(翻訳付)
- やりとりした手紙など(翻訳付)
- 2人や他の親族が写った写真(日付などの注釈付)
とにかく上記を時系列に出しました。膨大な量から丁度良さげなものをピックアップし、整理して並べるのはそれなりに骨の折れる作業でした。
b.日本での滞在に問題がないことの証明
こちらは、受け入れ側(つまり今回は日本側の私)の経済状態に問題がなく、外国人を受け入れ可能であることを証明できれば良いです。
こちらは上記とは違いクリエイティブは必要なく、課税証明などの決まった書類を請求して出せばいいだけなのでかなり楽でした😂
2. コロナ禍で特に困難だった点
さて、基本の流れの説明が長くなってしまいましたが、コロナ禍で特に大変だった点について書いていきます。
①フローが特殊でググっても出てこない
婚姻具備証明書の発行では、まず2人揃って対面で在日スペイン大使館で面接をする、というのが本来フローの中心にあります。
ここからしてコロナ禍では違ってくるため、公式サイトや個人のブログ等を探しても、合致するフローや手続きが全然出てきません。
なので一から大使館等に問い合わせる必要がありました。
結局面接については、2人同時の日本での面接の代わりに、お互いの国にある大使館にて、時間を合わせての筆記面談という形になりました。
逆に言えば、他の部分ではコロナ禍でも物理的な違いはありませんでした。
②書類の準備が全て遠隔
ただでさえ大量の書類を準備しなければいけないのに(特に移民管理局に提出するものは結構自由な部分も多くクリエイティブの発揮が必要😂)、それらの準備を2人で対面でできないというのはそこそこ面倒でした。
③余計にかかる時間の予測が困難
元よりこれらの手続きは書類の準備や審査待ちに長い時間を要するものですが、コロナ禍であることでさらに時間がかかり、かつその予測が困難であることがストレスでした。
特に引越しのスケジュール等を決める際には具体的に困りました。
余談ですが、日本側で関わった方々はとても親切でした!特に日本の役所の方はレア(面倒)なケースにも関わらず、大変親身に対応していただいて嬉しかったです😊
3. 参考にしたURLなど
文中でも貼らせていただきましたが、下記サイトは必要書類やその具体的な書き方について、とてもわかりやすく・詳しく記載されており、めちゃめちゃめちゃお世話になりました。
全て鵜呑みでOK!とは(何も責任取れないので)勿論言えませんが、私たちのケースではほぼこのサイト通りに資料を作成して、うまく行きました。
4. まとめ
以上、コロナ禍の日本におけるスペイン人との国際結婚の経緯でした。
在日スペイン大使館とやりとりするのは留学の時のビザ申請依頼でドキドキしましたが、無事に終わってなによりです。
この記事が、少しでも誰かの役に立てば幸いです!😊
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